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東京六大学リーグの有望株トップ25を考える

ワールド・ベースボール・クラシックの開幕まで1ヶ月を切った。
日本代表チームも28人のメンバーが出揃った。
全12球団が70人を支配下選手登録したと仮定すると、28人は上位3%にあたる。
ハイレベルな戦いを見ることが面白いのは、大学野球においても同じである。
今回は、日本全国に26ある大学野球リーグにおいて最もレベルの高い東京六大学野球連盟で、さらに有望な選手を選定した。MLB風に言うと“プロスペクト”だ。
まずは野手16人から(画像はクリックで拡大・学年は来年度の新学年で表記)。



野手を選定するにあたって、4年生は30試合以上、3年生は20試合以上、2年生は10試合以上出場している事や、何らかの成績が秀でている事を目安にした。
もちろん明確なものでは無いが、それぞれの大学のファンが「そうそう、確かに○○は期待だよね」と納得するものにはなっているはずだ。

さて、真っ先に目に付くのは慶應大の岩見雅紀だろう。
今春卒業する選手を含めても9本塁打は最多タイだ。特筆すべきは本塁打率9.56という数字で、つまり10打数に1本はホームランが出る計算になる。
ドラフト会議を意識しているプロ野球ファンであれば彼の名前を知っているだろう。
僕自身、彼にかなり期待しているが、少し気になる点もある。
それは四死球率の低さ(.055)と三振率の高さ(.291)だ。
言うまでもなく、レベルが上がるにつれて投手が甘い球を放ることは少なくなるので、この辺りの粗さは要改善だ。

右の大砲だと法政大の中山翔太にも期待を寄せている。
昨秋早大戦で2ランと3ラン、慶應戦で2ランを放ち、一瞬でレギュラーの座を掴んだ。
ヤクルトとの奉納試合ではプロ相手に2ベース2本を含む3安打とその名を知らしめた。ガッチリした体格も和製大砲の名に相応しい。

ドラフト会議について言及すると、岩見をスルーして1年待って中山を指名するという選択肢もアリかもしれない。
また、今年は谷田成吾(JX-ENEOS)と北川利生(日本通運)という左右の社会人パワーヒッターも候補に挙がっている。
いずれにせよ、長距離打者を見るにあたって“確実性”はひとつのキーワードになってくるだろう。

法政大の外野手だと、大西千洋は現役トップの安打数と盗塁数を記録している。新3年生なのに、だ。
日米大学野球でも見せた、露骨に内野安打を狙うバッティングは少しもったいない。
俊足を活かした守備走塁と打撃にもうひと味出てくれば、世代を代表する選手になるはずだ。
3年生だと明治大の渡辺佳明にも注目。ちなみに横浜高校の元監督・渡辺元智氏の孫。
昨春に打率が1割以上アップし戦力として明治大の優勝に貢献した。
補足として言っておくと、法政大の選手が多い理由は、上の学年のメンバーがなかなか調子が上がらず、下級生の起用が続いたためである。

新2年生の中にも既に台頭している選手がいる。
小藤翼郡司裕也は捕手同士好ライバルとして早慶戦を盛り上げてくれるはずだ。
慶應大の柳町達はデビューとなった春の法大戦でいきなりホームランを放った。3番を任される試合もあり、期待度の高さが伺える。
個人的に「六大学の柳田悠岐」と勝手に呼んでいるが、是非パワフルな部分ももっと見せて欲しいものである。

次に投手9人だ。



柳裕也や加藤拓也といったタレントが揃った昨年までに比べると、少し華が無いというのが正直な感想。
慶應大は加藤が、立教大は澤田圭佑と田村伊知郎が大部分を投げていたために選出はゼロ。

史上初東大からドラフト1位の期待がかかる宮台康平だが、来季の道のりはかなり険しいだろう。
日米大学野球で自己最速の150キロを出したが、その後は故障に見舞われた。実戦から遠ざかったことが悪く影響しなければいいが、ベストシーズンを送ることを期待している。

その一方で名を上げているのが明治大の齊藤大将だ。
鋭いスライダーを武器に三振を奪う変則左腕。奪三振率9.79という数字も好印象。
このままリリーフか、それとも先発に転向するかは分からないが、この類の左投手にとって永遠の課題である右打者相手の投球にさらに磨きをかける必要があるだろう。
柳の後ろには齊藤と水野匡貴という左右の切り札が控えていた。美しいまでの世代交代の流れは、学生野球チームすべてが理想とするべき姿だろう。
以前も書いたが、2勝先取制のルール上、エースを擁立することは特に重要である。
石田健大が抜けた後、後継候補の筆頭だった熊谷拓也が伸び悩んだ現状の法政大を見れば、それは明らかだろう。

早稲田大の場合、特定の投手の酷使が目立つが、継投を細かく行うゲームも増えた印象がある。
今年卒業のサウスポー・竹内諒やアンダースロー・吉野和也といういぶし銀のプレイヤーが昨季も活躍した。
大竹耕太郎がダメなら小島和哉が投げるぞ、小島の後は柳澤一輝、北濱竣介だ、頼むぞーー
といった持ちつ持たれつのような関係もまた、学生野球にとって理想なのかもしれない。
来シーズンは大竹の復調を望みつつ、速球派の柳澤と新3年生の小島がどのような結果を残せるかに注目したい。

一発勝負の高校野球と異なり、大学野球は負けてもそこで全てが終わるわけではない。
チームのサイクルは1年間、リーグ戦は7週間、選手にとっては4年間。
個々の選手を追うことが楽しいのは、これらの継続性が重なり合うからだと思う。
いずれ世界の舞台で戦う選手が、その中から生まれるかもしれないという可能性を考えたら、なおさらだ。

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東京六大学2016年秋季リーグ戦総括

明治大学が2季連続39回目の優勝を決め幕を閉じた2016年秋季リーグ戦。
いや、幕を閉じたと言っても最後の組み合わせは、必ず早慶戦なのでこの書き方はまずいかもしれない。
しかしながら、そのように書きたくなる程の見事な戦いぶりだった。
今回はそんなシーズンの総括をしてみようと思う。

4大学が優勝争いに絡む



明治大は早稲田に1勝2敗で勝ち点を奪われたのみでで勝率で慶應を上回った。
慶應は明治にストレート負け、早稲田と法政に1敗ずつしたのが痛かった。
早稲田は4年竹内涼・2年小島和哉が主戦に育つも、3年大竹耕太郎が春からの不調を脱せず、4年のアンダースロー吉野和也が伸び悩んだのが誤算だった。
打撃陣でも日ハムドラ2・石井一成が3番に座ったが、リーグダントツの129三振と粗さが目立った。
勝ち点を奪えたのが東大のみだった法政は2・3年生の出場が目立ちチーム再建途中というイメージ。
東京大は立教戦での1勝のみ。この試合で通算4勝目が転がり込んできたのが宮台康平だったが、今季はこの1試合のみの登板。
1回を押し出しを含む3四球38球で1失点で切り抜けたが、ボールはハッキリと高めに浮き好調時の面影はすっかり無かった。
夏場からコンディション不調で登板を回避することも多かったため、個人的にとくにショックは無い。

明治・慶應の強打が目立つ



打率トップ5中4人が明治という貫禄っぷり。ちなみに2年渡辺佳明は横浜高校で監督を務めた渡辺元智氏の孫。
ヤクルトとの奉納試合で球場を沸かせたのが吉田大成。本職のショートではなくセカンドでの出場だったが、ダイナミックな守備は観客を呼べるレベルだった。志望届を提出しなかったため、今後の進路に注目が集まるだろう。
その試合で3安打を放った中山翔太は法政期待の2年生。今季3本塁打の源泉であるガッチリとした体格は慶應・岩見雅紀と似通う面もあるが、解説の青木宣親も絶賛した柔らかな手首の使い方には定評がある。
全試合安打で首位打者を決めた山本瑛大は米サウストーランス高出身の帰国子女。大学で野球は引退するという。
慶大・山本瑛、首位打者も大リーグの仕事目指し引退

投手力に優位性を持つチームは勝てる



明治が柳裕也と星知弥という二枚看板を形成した一方で、慶應は加藤拓也に次ぐ2番手がなかなか台頭しなかった。これが優勝を逃した最大の要因だろう。
ヤクルトとの試合で3者凡退で封じ込めた東大の三木豪はアンダースローの4年生。
打たせて取るタイプらしく調子がいい時は本当に小気味良くゴロの山を量産する。そのスタイルは四死球率とイニングあたり投球数の低さにも如実に現れている。

まとめ


2点先取の勝ち点制であるこのリーグで勝つためには、計算できる投手を2枚揃える必要がある。
明治は柳裕也と星知弥というプロに指名されるクラスの投手で着実に白星を手にしてきた。
それに加え、齊藤大将と水野匡貴という左右の3年生リリーフエースも用意した。齊藤は6試合8イニング、水野は4試合4イニングを投げ優勝に貢献した。来年はこの2人も勝ちを計算出来るピッチャーに成長するだろう。
他の大学も、冬の時期にどのように成長するかで来年の戦いの行く末を左右する。
来週から始まる神宮大会で明治がどのように勝ち進むのかは、他リーグとのレベル差を推し量る材料になる。
これからは他のリーグとのレベルの差についても考えていきたい。

プロフィール

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野球、アニメ、カメラに興味
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